カバー曲「輪舞曲(ロンド)」公開! メンバーが担当するリズム楽器について

今回は、ヴォーカル・メンバーが担当する小物パーカッション(リズム楽器)についてお話ししたいと思います。

第1回目の「銀河鉄道999」のリハーサル時、メンバーの人数が限られていたこともあり、コーラス・メンバーにいわゆる“鳴り物系”―タンバリンやシェーカーなどのリズム楽器―を入れながらできないか、と相談をしたところ、間髪入れずに「やります!」と返事をしてくれました。

声楽科ですから、リズム・パーカッション等の授業など受けたことはないはずです。それでも、簡単なやり方を教えると、家に持ち帰って、自主練習を重ねてくれました。

そしていよいよ本番当日。実は最終リハーサルの段階で気になった部分があり、数箇所でフレーズ変更をお願いしたのですが、どうやら本人たちにとっては “パニックになるほど”の無茶振り!だったようです。

それも短時間で修正して、YouTubeでご覧頂いた通り、本番では見事に「コーラス」「リズムキープ」そして「スマイル」の三役をこなしてくれました。

ハーモニーの音程を正確に取りながら、リズムを合わせ、さらに表情まで意識しなければならないのですから――まさに「二刀流」「三刀流」、いや「二重苦」「三重苦」の世界だったと思います。

その後も同じスタイルで続けているのですが、「パーカッションの固定メンバーがいた方が、もっと表現の幅が広がるのでは?」というご意見もいただきます。

リズム楽器担当のメンバーがいないのがiBlossomの特徴でもありますが、最近ではコーラスの役割がより複雑・多様化しており、曲によってはサポート・メンバーを加えてリズム面を強化することも行っています。

今回アップロードされた「輪舞曲(ロンド)」は夏前に撮影されたものです。シェーカー、カスタネット、ミニ・タンバリンを、Sara、AOI、Meimeiの3人にそれぞれ任せました。お願いした瞬間、“覚悟”が入り混じった笑顔で受け止めてくれた残像が、今でも印象に残っています。

本番後に聞いたところによると、家で食事をしながら、YouTubeを見ながら、時間があると振ったり、叩いたりしてずっと練習していたそうです。メンバーは小さなバーベルのような形をしているシェーカーのことを、“リズム筋トレマシン”だと思っているのは間違いないと思います。

そんなコーラス隊の果敢なるチャレンジ、ぜひYouTubeのワンショットライブを見て、応援して頂ければと思います。

この記事を書いた人

大越 王夫のアバター 大越 王夫 音楽プロデューサー

CBS Sony、Warner Music Japan、Universal Musicで、ディレクター、A&R、プロデューサー、レーベルヘッドを歴任。

槇原敬之、今井美樹、中西圭三、森山直太朗をはじめとする数多くのメジャー・アーティストを担当。
その他、トリビュート・アルバム、洋楽アーティストによるカバー・アルバムなどの企画制作など、幅広い作品を手がける。

直近では、東京音楽大学の有志20名によるJ-POPカバー・プロジェクト(シーズン1のみ)の企画・制作・プロデュースを担当。15作中4作品がYouTubeで100万回再生を突破。

現在は、2025年4月に結成したグループ ”iBlossom” をプロデュース。クラシックとポップスの垣根を超えた新たな作品づくりに挑戦している。